ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ

エルリ(Vn)ビュロー(P)(meloclassic)1952/12/15パリ フランス放送live・CD

一楽章は非の打ち所が無い、丸みのある音で完璧にラヴェルを描いていくエルリ(人気も頷ける)、ラヴェルの普通じゃない、微細な仕掛けまで汲み取って掛け合っていくビュロー、環境雑音もミスもあるが並大抵ではない高度な技巧を、そうは思わせずにすんなり聴かせてなおライヴ感にも溢れている。旋律の魅力はそれほど無い方の作品だが、それでも横の旋律に入ると、ラヴェルが他の後期作品で使ったもの(デュオソナタなど)に似たところもあって、もうこれは同国人の感性がなせるわざか、何とも言えぬ詩情を漂わせる。激しい動きが入るとライヴなりの雑味は出てきて、これは生硬なテンポと、楽想にあわせて変化することをしない細い音が気になるジャズを取り入れた二楽章で明らかになってくるが、ラヴェルが思いっきりジャズをやらせようとしたとも思えぬどっちつかずのところを突いて、次第に板につき、遊び心の余裕が出てくる。ラヴェルには特異に感じられる旋律表現も却って違和感が無くて良いか。短い無窮動ふうの三楽章はウィットに富んだ出だしから聴衆を和ませるが、なかなかの難しさを音色を損ねることなく走りきっている。左手のためのピアノ協奏曲のものに似た走句を時折投げかけるビュローはほんとにラヴェル風に上手い。軽やかさがあり、二楽章のエコーのようなラヴェルとしては違和感あるフレーズも気にならない。楽曲自体の構成上のこともあるが、先細り感のある演奏ではあるものの、ライヴとしてはこれ以上求めてはならないだろう。
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