ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

クライバーン(P)コンドラシン指揮モスクワ・フィル(放送)1972/6/9モスクワ音楽院大ホールlive

コンドラシンのディスコグラフィを載せた露語圏以外唯一のホームページ(日本)が2013年に閉鎖されていたのを知らず、クライバーンについては時代が若いせいか詳細な録音データ集がなく、ググれば例のdiscogだのallmusicだのディスコグラフィと称する自由登録型の集合知的な、和風に言えばキュレーションサイトないしSNSの穴だらけのページが羅列されるばかりで目的にたどり着かない。つまるところこの演奏がVAIでDVD化された1972年映像と同じものかどうか知りたいだけなのだが恐らく同じだろう。クライバーンのような達者過ぎて端正という以外の特徴のあげづらい奏者は好んで聞く対象ではなく、たまたまこの音源がwebで聴けるので聴いた次第。コンドラシンもまた即物的傾向を示す揺れの無い指揮をなすのでこのコンビは相性がよく耳なじみよいかわりに、すれっからしには技術と解釈の正攻法ぶりを通して楽曲の本質をダイレクトに楽しむ「だけ」の、ようは網羅的収集対象としづらい音源を生んでいる、よって、同コンビ(inモスクワ)による同曲録音はRCAから正規音源、vaiの映像以外いらないと思うので、一言で終わらせる。モノラル。もっと言うなら、ソヴィエトの演奏家が持ち込む外連味や深読みが腕を鈍らせるのに対して、アメリカの演奏家が同国での流儀にしたがいひたすら技術(と手の大きさ)を高速インテンポによってひけらかすことを売りにしがちであったこと、そこにクライバーンというとんでもなく「安定感のある技術」を持ち、アメリカでは余り聞かれない「重量感」を持つ奏者が、モスクワへの先兵として送り込まれたことからとくに当地で異常な評価と熱狂を生み、冷戦勝利のような格好で凱旋帰国してからはレコードで言えば擦り切れるまで同じレパートリーを弾かされた挙句故障してしまった、ということで、ぜんぜん一言ではない。モノラルでもわかるのはミスというか不明瞭な音は一か所しか気にならず、ほとんど明晰でその音のどれもが太い。太いから音量を落とすのも細くするだけでよい。音はあまり変わらないが、技巧に余裕があるのでテンポに影響しないニュアンスで表情変化をつける。とても現代的な技巧家の演奏だと思った。冒頭の重音を重々しくやるが一部指をずらしたりとか、細かくは色々付けているのだが。同日(1972/9/6かもしれない)放送ではまるまるコンサートを収録しているのだが、グリーグ、ラフ2ときてチャイコ、そのいずれも大喝采である。そもそもこの重い三曲をやらされる身。二曲目のここでまだ余裕が感じられるのだ。。
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