リース:弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲

セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA)1968/2/7ボストンlive 放送

アナウンス(歪んで聴きづらい)ではリースと呼んでおり、アメリカの作曲家のアメリカ放送だからリーズではなく濁らず呼ぶべきだろう。初演説もあるが4年前の作曲なので違うだろう。弦楽四重奏団名はDA盤では不明(4名の名前はアナウンスされるが聞き覚えはない)。やや不安定で放送エアチェックレベルのノイジーなステレオ録音だけれど、同日のプログラム収録曲中では最もクリアで迫力があるし、ソリスト陣とのバランスも良い。一楽章はソロが駆けまくる背後でウォルトン(この直前のプログラムが「パルティータ」)的な空疎な響きの派手な音楽が展開される。時代的には現代曲だがバーバー並に親しみやすい。ストラヴィンスキーふうの音響とも言えるが、削ぎ落とされた感じはしないし新味もない。二楽章の晦渋さは同時代アメリカアカデミズムの音楽に近い印象。管弦楽は絡みというより太鼓のオスティナートリズムが続くほか断続的な合いの手に近く、セルなので緊張感が持続している面もあるだろう。無調的だが50年は遡れる作風だ。三楽章は再びカルテットというより四本の弦楽ソリストがおのおの駆け回る焦燥感ある協奏曲で、アメリカっぽいブラスの高音の響きはあるが、おしなべてウォルトン的である。オリエンタリズムの発露のような音線でさえ円熟期のウォルトンに聴こえる(しかしウォルトン独自のマンネリな作風とはまた違うし、ソロ協奏曲のような技巧的フレーズは注ぎ込まれない)。二重音で細かく動き回るのは独特の聴感がある。そのまま駆け抜けて終わり、カデンツ的なものもなくいわば無窮動。パルティータがお手の物すぎてお仕事感のある比較的「レア」な演奏(録音も遠い)であったからこちらの鋭い表現は光る。なかなか。
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