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エルガー:交響曲第2番

ボールト指揮BBC交響楽団(ica)1977/7/24live・CD

茫洋とした録音ではっきり言って悪い。舞台の遠いステレオ感の無い様は痛い(モノラル音源に擬似ステレオふうの強い残響を加えたような、昔よくあったラジオ中継放送のような音)。そのせいで冒頭からだらしない感がして、ボールトらしくない覇気のない印象を受ける。肝心の分厚い弦が前に立ってこず、ブラスとティンパニだけが轟く。おそらく解釈的には他のオケとのセッションと変わらないのだろうが、BBC交響楽団という古巣オケを振っているにも関わらずピンとこない。弦楽器の音がとくにイマイチハッキリしないのだが、二楽章では、ああ、やっぱり録音のせいか、という「雄渾さ」が感じ取れなくもない。ボールトらしからぬ暗さもあり、木管と絡み息の長い旋律をうなる場面では、ラフマニノフすら想起するような、エルガーのノーブルを通り越した、心象的な風景を見せる。希望的な上行音形はグラズノフの8番を思わせるある種の「終わり」を感じさせ、その後は打楽器の力を借りてボールトらしい男性的表現に至る。足を引きずるような挽歌にも諦念はもはや感じられず、ボールトらしいしっかりしたブラームス的な劇的な音楽にまとまる。ヴァイオリンに心なしかポルタメントが聴こえたような気がするほど、実演は昂ぶったものだったのだろう。ピアニッシモに感情的なアクセントが聴こえる。三楽章もブラームス的な雄渾な副主題が印象に残る。この楽章はスケルツォ的な風変わりな主題よりも、激しい感情表現がしっかり伝わる迫力ある録音となっている。木管など決して巧いわけではないがアンサンブルはまとまっている。派手なドラマはそれまでの演奏の印象を変える出来だ。四楽章はボールトらしくなく情に流されたような僅かなフォルムの崩れ、ブラス陣の矢鱈と下卑た響きに弦の分厚いうねりがロシアの曲を演奏するようで、ボールトの記憶の彼方のニキッシュが再来したかのような錯覚にさえ陥る(ニキシュはチャイコフスキーも得意とし、同時にエルガーの交響曲も手がけた。ちなみにBBC交響楽団はエルガーの指揮のもと演奏したこともある)。その同時期のイギリス人にしては和声的な冒険を孕む起伏の末に追憶の主題が再現され、詠嘆ではなく明確にフィナーレを印象付ける。ブラヴォが叫ばれる、後半楽章は名演と言っていいだろう。
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