マーラー:交響曲第9番

セル指揮クリーヴランド管弦楽団(cult of classical music:CD-R)1969/2/6live

このとっくに消えた海賊盤レーベルは既出音源を指揮者毎にソートし直して組み物で出す高額レーベルと感じ、データも確認せず看過していた。セルの同曲は自主制作正規盤以外では一音源(1969/1/30ライヴ(1968年説、5月9日記載盤あり))しか存在しないと言われており、データが違っても既出盤と同じと思っていたが、最近ネットで環境雑音が違う、一緒に収録されている大地の歌も1970年セル最晩年のもので両方とも初出と知り、webを探して聴いてみた。結果、環境雑音を置いておいても、違うと思われるので別記する。すでに入手できない盤だが聴くことは聴けるので興味がわけばどうぞ。録音はセルの同曲盤の中でも一番いいと言う方もいたが、砂ノイズが入り続け、4楽章終盤でははっきり言って邪魔。かなり辛い。言うほどけして良くない状態ではあるがソリッドなステレオ録音でバランスもよく、聴衆録音(インホール録音、膝録)ではなく放送エアチェックだろう。3楽章の肝心なところで派手な音飛びがあるのは、原音には無いと思うので惜しい。演奏的には極端な新即物主義という点は同じ。サウンドとしてのマーラーを追求する。一楽章のヴァイオリンの音色には思い入れを全く感じないが音は素晴らしく出ている。発音の頭を極めてハッキリさせるセルの方法で、経過句には緩やかな表現もとるが、休符後の音符の最初は常にアタックがかかるくらい「キッチリ譜面通り」の音を出させて違和感がある。ただ、これはシェルヘンの同曲ライヴを思えば、速いインテンポでサッサと進むドライさもまるきり同じで、即物的といってもこれはこれで一つの解釈なのである。まあ、聴いているうちに飽きるかもしれない。シェルヒェンと違うのは音響バランスの完璧さか。締め上げられたオケは、アメリカオケとか欧州オケとかそういった垣根を越えたものを提示している。マーラー9番のスコアの隅々まで耳でわかる。これが復刻されない理由は事故の多さかもしれない。前半ではそれほど目立ったものはなく2楽章でブラスの一部がとちる程度だが、4楽章は最初からひときわ性急なテンポがとられ、インテンポではなく前のめり、ともすると走って行きかねないほどで、そのくせ緩急つけるところは極端につくので、即興的とでも言うのかオケが勝手に動いてしまったのか、他の楽章と違う感情的なものを感じる。危ういなあと思っているとついに大事故。緩急のテンポの制御がつかずオケが完全にずれてしまい大崩壊してしまうのだ。復旧して最後はしめやかに終わるものの、これは復刻されないな、と思った。拍手は盛大だが、セルマニアならどうぞ、というところか。
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