ピエルネ:バレエ音楽「シダリーズと牧羊神」第一組曲

マルティノン指揮ORTF(erato/warner,icon)1970・CD

全曲だととんでもない時間がかかる曲なのでだいたいこのくらいがレコード化の限界らしい。たしかに「掴みはOK」系で途中から擬古典的なチェンバロを交えるなどした曲や前時代的な新味の薄いロマンティックな盛り上がりを作る曲など目立ち、その折衷的な技で台本通りの音楽を組んでいく職人性にああ、ピエルネってこういう曲書いてた人なんだよなあ、個性面で減衰するから、聴き流し系の耳優しいフランス音楽としても一級品とはいいがたいところがある。マルティノンは録音がマイクに近いせいもあって冒頭より表出力が強すぎる感じがする。客観的に整える芸風はここでは使われず、素直に効果的な演奏をなしている。曲の前時代性に脚光を浴びせたような、ボロディンの交響曲などやっていたのと同じような感じで流れよくリズムよくダイナミックに、推進力と演出力で聴かせていく。響きはフランスオケの軽くて木管など特徴的な明るさがあるが、マルティノンはその特質も機能性を上げるほうを重視したのか目立って際立たせることはせず「お国もの」ではない音楽として仕立てようとしているふうでもある。しかしまあ、この仕上がりを聴くと、曲は違っても最近よく聴くプレートルより数段上の格を持っているように思うし、あのような時に癖のある解釈はハマるときとハマらないときがあるが、マルティノンは標準以上は必ず持ってくる指揮者なんだな、と思った次第。
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