グラズノフ:交響曲第5番

児玉宏指揮大阪シンフォニカー交響楽団(rohm,KING)2010/3/17live・CD

ロシアの演奏と比べればそれはパワー不足は否めないが、一楽章の流れ良さやその最後の方のブラスの「だからこその切迫性」というようなものはあるし、二楽章はエンジンがかかってきて、このオケのバレエ音楽適性(グラズノフのシンフォニーのスケルツォはたいていバレエ音楽である)、木管楽器をはじめとする美しい響きと雰囲気の典雅さは一聴に値する。カリンニコフ一番の二楽章のようだ。リズム取りの上手さなど、この曲に慣れきった人ほど聴くべき、ロシアのローカル作曲家ではなく、プロフェッショナルな教師兼作曲家としての腕をしっかり浮き彫りにする名演だ。三楽章はロシア調ではないものの、旋律の起伏に重きが置かれ過ぎている気もするがライヴ感はあり、ラフマニノフを想起させる弦楽器の表情の豊かさ(響きは薄いのが残念)は「ここで本気出したか」というくらいそれまでの楽章と差がある。リズム取りはワルツ風というか、前の楽章もそうだがこのコンビは舞曲が上手いらしい。これもロシア色が出ないのは良い、透明感あるセレブリエルとは違って、熱いものの安易に気を煽る解釈に走ってはいず独自性を魅せる。ここで異様なスケールの盛り上がりを作って一気に四楽章の疾走。なかなか派手に打楽器を鳴らし、現代的な演奏レベルは保ちつつ、グラズノフ屈指のメロディを抱く民族的フィナーレを時には力強く時には軽快に、弦楽器に後半疲れがみられるがグラズノフはそんなことで瓦解するスコアは作らない、ブラスや打楽器によって音楽は弛緩することなく、実際テンポにタメを作らず最後まで真っ直ぐ走りきる。ブラヴォが出てもいいくらいだが。今は日本でも普通に演奏されるそうである。
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