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チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

マルコ指揮フィルハーモニア管弦楽団(HMV,EMI/SLS)1947/3/26

SLSは針音がきついが音像が明瞭に捉えられる。当時のマルコの独特の解釈表現~音を尽く短く切り詰め粘らず、即物的傾向のもと太くハッキリ発音させ、リズムを強調し直線的な流れを重視する~がのちの煮え切らないスタジオ録音の演奏スタイルと異なり耳を惹く。正規販売されなかったのかフィルハーモニア管にしては一楽章前半からして速いスピードの前に弦楽器が乱れるなど「らしくない」部分もある。二楽章は音に憂いが一切なくリズム処理が明瞭な独特のワルツで、木管の棒吹きなど「単純化」された表現に好き嫌いはあるだろうが、憂愁の主題に入ると起伏が作られ対照的に感情を揺さぶりにかかり、トスカニーニふうの範疇ではあるものの染み入るところはある。シャキシャキした表現が活きてくるのは三楽章でチャキチャキである(何だそれは)。ナポレオンがロシアに生まれたらこういう歌が作られたであろうという軍隊調のところを煽っている。ただ行進曲というのとも違って、音量操作など小技を効かせた特徴的な解釈が光る。四楽章はオケの精妙な響きを活かしたであろう部分が悪録音のせいではっきりわからないのは残念だが、しっとりした夢、そして闇の表現は悲愴そのもので、三楽章との対比は見事である。クライマックスではスピードをむしろ上げ弦楽器の旋律を装飾する肥大化された上行音形は半音階を明確に聴かせずグリッサンドか単なるスラーのかかった音階であるように聴こえるほど速く、チャイコフスキーの書法の異様さが変に響かないのは、録音のせいでもあるか。ロシア流のローカルな色を出さず、しかしイギリスオケの中庸なる限界を超えており、これはSLSだからリアルに実態を聴き取れているせいだと思うが、精度は甘くも勘所だけは厳しく律せられたマルコのやり方が上手に働いて、ライヴでとんでもない名演の出てくることのある地盤の部分を感じ取ることができた。CD化不明(SLSはSP起こしCD-R)。
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