マーラー:交響曲第9番

バーンスタイン指揮イスラエル・フィル(vibrato)1985/9/12live

これでバンスタ/IPOのマーラー9番来日公演のすべてが出揃ったわけである。前回の「伝説の公演」の酷い状態に比べ、良い座席だったのか声部間のバランスがよく、放送録音かと思えるほど安定しており、数倍聴きやすい。擦れた部分もあるが、依然きわめてノイジーなモノラル録音ではあるが、これなら60年代の放送エアチェック音源と言っても通用するだろう。演奏は均整が取れており過度なデフォルメが目立たない。客観的に見れている感じである。圧倒的に重厚壮大な四楽章はともかく、テンポが早めな印象を与えるのも、録音バランスの(帯域も幅も十分)良いところからくる「聴きやすさ」に起因していると思われる。一楽章など私は一連の記録の中で特記していい「統制が取れバーンスタインの解釈をきちっと具現化した演奏」だと思う。戦闘的な中間楽章も素晴らしい。四楽章は延々と続くような詠嘆の表現には至っていないが、これも均整が取れていて、生演奏はともかく、こうした記録として聴くにはむしろ良い。お約束の沈黙のあと長々と拍手やブラヴォまで入り、翻って各トラックほどよく編集されていることから、もともとはしっかり全公演を録音できている(つまり前回のように心持ち尻切れるような音源ではない)と思われる。邪魔な砂ノイズは何とかできそうだ。情報量はある。80年代中盤なんて放送エアチェックですらまだまだ依然モノラルでテープ録音していたような人は多かった。私は90年代のスヴェトラーノフの放送すらMD録音時間の制約でモノラルで録音していた。況やインホール録音をや。
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