スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

グラズノフ:バレエ音楽「四季」

アルベール・ヴォルフ指揮パリ国立音楽院管弦楽団(london)CD

近代バレエ音楽を確立したのがチャイコフスキーで、現代バレエ音楽を確立したのがストラヴィンスキーとして、その間に位置するロシアの作曲家が何もしていなかったかというとそうではない。チャイコフスキーの跡目を継いだタネーエフからラフマニノフといった作曲家はいずれもピアノという楽器から離れることがなく、作品も舞台音楽についてはほとんど冒険的なものは手掛けていない。対して本来別の流れ(リムスキー・コルサコフらペテルブルクの「クーチカ」)にあったグラズノフは、モスクワのチャイコフスキーとも親しく接し、その音楽に魅了されていた。天才少年だった頃からリストらに同行して世界の音楽に触れていたこともあり特定の流派に固執することなく、節操なく良いものを消化しては作品に反映した。殆どの楽器を演奏することができ、ピアノに頼ることもなかった。チャイコフスキーの作風も躊躇なく消化し、交響曲のスケルツォにはチャイコフスキーのバレエ音楽風の舞曲を導入している。さらにここにある「四季」はグラズノフがチャイコフスキーの延長上からさらに分かり易いローカル色を排し、「特定の物語に依拠しない」初の「抽象的なバレエ音楽」として仕上げたものなのである。この作品には筋がない。四季に沿って四つの場面(楽章)があるだけである。雰囲気と流れ、ブロック状の楽想の組み立て、それだけで成り立っている。意図は舞踏を際立たせるためのバックグラウンドミュージックなのであり、「音楽だけでは成立しない」危険性も孕んではいるのだが、スッキリとまとまった四曲に、癖のない旋律~冬から始まるが楽章間の楽想の変化はさほど強く付けられず明るく進み、とくに終楽章「秋」の晴れやかな名旋律はご存知の方もいるかもしれない~を散りばめ、管弦楽に無理を強いることも、ダンサーに不可能を強いることもないよう配慮の行き届いた簡潔な書法で仕上げられている。

それにしても擬似ステレオと思われるヴォルフの録音は明るくきれいなだけで、原曲が簡潔なだけに引っかかりがなさすぎるので、平板で飽きる方もいるかもしれないが、これはおそらく舞踏を載せると巧くいく演奏なのだ。難しく見せかけてわりとすんなり出来てしまうグラズノフの木管ソロへの要求も、フランスオケのそれほど機能的でないところを目立たせず、むしろこれはロシアでコテコテやるのではなくフランスでやる曲なんじゃないかとも思わせる、じつに品の良い雰囲気である。じっさい古い録音にフランスのものも複数ある。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

岡林リョウ

Author:岡林リョウ
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
カテゴリ
TAG

ストコフスキ 四重奏団 フィテルベルク ミュンシュ トスカニーニ コンドラシン バルビローリ 作曲家 モントゥ アンセルメ 作曲家演奏 ブール エネスコ ガウク ミトロプーロス ロスバウト サージェント オイストラフ フランセ ワイエンベルク ORTF アンゲルブレシュト サモスード デゾルミエール イワーノフ ゴロワノフ ムラヴィンスキー ピエロ・コッポラ モイセイヴィチ ベーム セル クーベリック カルミレッリ シュヒター バーンスタイン ビーチャム パシャーエフ ツィピーヌ アルベール・ヴォルフ パレー ウォレンスタイン アラール オーマンディ サモンズ 山田一雄 ロストロポーヴィチ シェルヘン モートン・グールド ギレー モイーズ 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。