エルガー:交響曲第2番

バルビローリ指揮ボストン交響楽団(SLS/BELSONA他)1964/11/7バークシャー音楽祭live

SLSは冒頭の録音のボロボロっぷり、ノイジーで軽い音響、シャカシャカキンキンに既出盤かつ同一音源であることを確信(BELSONAというレーベルのものは同一の演奏日が記載されている。ほかDA,JOYなど多くのCD-Rレーベルから出ているものはデータ不詳だが、音質的におそらく同じものか、多くても2回くらいの記録しかないと思われる)。唯一無二のニュアンスの指揮者バルビローリに対してパワーのボストンがまるでミュンシュのごとく取り組んで、ブラスは始終大音を鳴らし弦はしっかりした合奏力のあまり細かいニュアンスが「確固たる表現」と化しているのは良い面悪い面あるか。とにかく終始フォルテである。エルガーの書法自体リヒャルト・シュトラウス系の派手さを持つので、弱音でも教科書的なので繊細さが今ひとつ、しかしバルビローリ流儀のメリハリついたものにはなっていて(2楽章は諦念すら感じさせる弱音を散りばめテンポ変化も激しい(無論予定調和だがそう感じさせるヘマはしない)劇性はバルビでなければ出せなかったろう)、バルビがライヴでみせたマーラーのような中欧曲向けの配慮の行き届いたものにはなっている(トーンがマーラーほど変化せずそこを微細に再現していくバルビローリの真骨頂はエルガーでは原曲の性向から聴けないのかもしれない)。一本調子のチャイコフスキー的感興を求める1番より心象的で演奏家の構成力を求める2番は細部にこだわる拡散傾向のバルビローリ向きじゃないと思いきや、そこは逆。拡散傾向はあくまでスタジオ録音でのことで、情緒即物どっちにも振れずバランスが取れている。しかしまあ、中低音の弱い録音が痛い。バランス的な部分だけでもなくこの録音は高音もボロに聴こえる。3楽章はいきなりのアンサンブルで機能性を求められる書法だが僅か乱れるもののすぐボストン響のアクセントの強くついた音の交錯で楽曲の求めるものを満たしに来る。ハーモニー変化によって自然と場面転換は来るのでそこはポルタメントすら交えつつ切り替えて流れは損なわれない。バルビローリにしては印象が醒めているのはオケ本来の音起因なので仕方ない。弦はヴィヴラートとフレージングで指揮者の意をついでいる(細かくテンポを揺らさないのでたまに揺れるのに従い美しくやられると感銘は受ける)。ブラスと打楽器の派手なシーンはボストンお手の物。拍手がパラパラ入ってしまう。トーンがそのまま明るく、はじめフィナーレ感の薄いブラームスぽい四楽章は古典的な組み立てが売りのような堅牢さを「ノーブル」として打ち出す特徴的なフィナーレだが、バルビローリはフォルムは崩さないながらマーラー的な旋律音楽の側面を重くし、他の古典などの録音同様すこしどっちつかずな感もある。エルガー得意の無茶な弦への要求(えらく細かく早い装飾的フレーズ)はさすがのボストンの弦もつらいが経過句として流しブラスやティンパニにゆだねている。悲劇的な短調の進行では打楽器がややじゃま。録音のせいもあるだろうが全般派手志向なのはバルビローリがエルガーを紹介するために威風堂々的なところを印象付けようとしたのではないかとすら思わせる。譜面にない僅かなパウゼから主題回帰し大いに盛り立て、そこから緩やかに落ち着いていき、さすがに継ぎ目感の否めない一楽章への美しい回帰(親しかった国王の死により継いだレクイエムと言われる)、繊細さは出ているが、ボールトのように盛大にそのままやった方が自然のようにも思う。一声ブラヴォが聴こえるがシャカシャカ拍手はすぐ断ち切れる。SLSはインタビューも収録しているがこれも既出ではないか。ちなみに10年以上前にDA盤の感想としてアップした記事と異なった印象になっているが、読み返すと昔のほうが一般的な感想だったかもしれないと思いました。。
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