ショスタコーヴィチ:交響曲第5番「革命」

ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(eternities)1972/5/7live

状態はかなり聞きづらく不安定で雑味の多いステレオ。低音域が弱かったり木管がすぐれないのがオケのせいなのか録音が揺れているせいなのか不明だが、おそらく録音のせいだと思う。ストコフスキーが晩年手兵を使い、晩年のやりたかったことをやった、つまりストコフスキーのイメージに沿った、デフォルメや意味不明な改変は細部の話にすぎず、拡散的で戦闘的でそれでいて壮大な、明るい革命である。戦前戦後の生々しいショスタコーヴィチではなく、純粋に古典名曲を自己流にしたてている。といってもロシアの巨匠に慣れている向きはそれほど遠い解釈には感じまい、楽曲の中身を入れ替えるようなことは一切なく、三楽章の悲痛さも、明るい響きの中でけして超一流の腕のオケではないにせよ感情的に伝わってくるものがある。終楽章は遅い出だしこそそれまでの録音に似ているが、均整感への配慮はもはやあまりなく、終始盛り上げ続ける。扇情的な組み立ては巨視的にも近視眼的にも凄まじいもので、ラストは圧倒的である。姑息な考証などしない、音楽はこう語っているのだ、ということを作曲家すら無視するいきおいで信念に基づき演じ上げている。この魁夷、最晩年の巨匠へむかってのブラヴォも間髪入れず凄まじい。ストコフスキにも最晩年様式というものはある。それは響きの拡散性と改変の恣意性がマッチした不可思議な世俗味をもったものである。数多い革命の録音のうちに70年代の記録が、アメリカ交響楽団で残っていたことは嬉しく思う。
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