サン・サーンス:交響曲第3番「オルガン付」

スヴェトラーノフ指揮スウェーデン放送交響楽団(weitblick)1998/9/3live・CD

極めて良い録音で音場も広くオルガンもちゃんとパイプオルガンを使用している。依然ベートーヴェンの交響曲の延長上の保守的な手法を用いながら、循環形式のような形式的で職人的手法をとりながらも、音素材に高音打楽器やピアノ、そしてオルガンを導入して新規性を打ち出し、清新な色彩はフランクやダンディのそれより豊かで効果的である。三楽章まではそれでも古典的な凡庸さを感じさせるも、この曲を象徴するオルガンのフォルテから始まる四楽章ではダンディの民族主義的な音楽に近い感興を与える。そしてスヴェトラーノフはパイプオルガンをフル活用して後年の芸風としての壮大で透明感のある(しかし管楽器を中心としてロシアオケのような響きの整え方をしてはいるが)音楽世界を展開して、同曲をあえて集中ではなく拡散的にやることでマーラー的な誇大妄想感を与えているのが新しい。技術的に極めてすぐれているわけではないが、ニュートラルなオケはフランス曲にはよくあっているし、ニ楽章のオルガンとのしめやかな響きのかさなり、交歓は聞き物だ。オルガンによって強引に盛り上がりを作るこけおどし、という貶し方もできる曲だけれど、それは四楽章のイメージだけであり、この楽章もなかなかうまい。良い録音だからこそ、そしてわかりやすい流れをゆったり作るスヴェトラーノフだからこそわかる良さかもしれない。晩年の指揮記録には珍しく弛緩が無いのは曲自体がピアノによって締まっているせいもあろうが(ダンディ的な協奏曲用法ではなく完全にオケのパートとして導入されているが、動物の謝肉祭「水族館」を彷彿とさせるところなどサンサンならではの簡潔だが煌めくピアニズムが楽しめる)、単純に調子が良かったのか。客席反応は普通であり、とくにブラヴォも飛ばないが、これでもかのオルガンの迫力が録音に捉えられている四楽章はやはり、ラストの物凄い引き伸ばし含めてスヴェトラーノフに期待されるものを与えている。
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