ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)~4つの抜粋

作曲家指揮NHK交響楽団(KING,NHK)1959/5/3日比谷公会堂LIVE・CD

これは完全初出となる。同CDはこれまでバラバラに出ていた来日公演記録音源をまとめたうえで初出音源を加え、公演プログラム再現(三回全て同じこの組み合わせ(うぐいすの歌、火の鳥組曲、花火、ペトルーシュカ抜粋)だったそう)としてまとめている。ペトルーシュカは簡素化された、面白いというより純音楽としての魅力を強調した新しい版に、現場に即してさらに手を加えているという。いきなり「手品師の芸」から始まるのもシニカルというか、「ロシアの踊り」「ペトルーシュカの部屋」「謝肉祭の日の夕方」と続くにつれペトルーシュカの「当初の」魅力が浮いてくるのだが、演奏も終曲前まで事故が目立つ。これが奏者の問題とも言えないのはライナーにもあるとおり、つい即興的なドライヴをかけてしまう、ポリシーと矛盾したストラヴィンスキーの棒のせいでもあるのだろうが、もともとスローなインテンポで楽器の重なり響きをより純粋に原意に沿った正しいものに整えていくうえで、和音の強調がリズムの強調となり、またN響そのものもドイツ的な重心の低さをまだ持っていたからだろう、色彩はロシアより明るいフランスふうのものをよく出してはいるが、それでも鈍重さを感じさせるところがある。偶然にその重さがストラヴィンスキーの指揮スタイルをより克明にさせているとも言える。音は良いので、管の事故の連発が目立ちまくっているのはいただけないが、黛敏郎、岩城宏之氏の参加したパーカスはいけており、弦楽器はよくつけており、面白いものには仕上がっていると思う。観客は冷静な拍手。クラフトの下振り、ゲネ本のみストラヴィンスキーといういつものやり方だそうで、譜読み段階では岩城宏之氏がやったとのこと。黛敏郎氏も岩城宏之氏もそしてクラフト氏すら、彼岸の人となってしまった。クラフト氏の回想録でストラヴィンスキーがこのとき日本の演芸に触れ専ら音要素だけ評価したようなことが書いてあったか。そのとき同行したのが、兼高かおる氏だったか。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

岡林リョウ

Author:岡林リョウ
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
カテゴリ
TAG

ストコフスキ 四重奏団 フィテルベルク ミュンシュ トスカニーニ コンドラシン バルビローリ 作曲家 モントゥ アンセルメ 作曲家演奏 ブール エネスコ ガウク ミトロプーロス ロスバウト サージェント オイストラフ フランセ ワイエンベルク ORTF アンゲルブレシュト サモスード デゾルミエール イワーノフ ゴロワノフ ムラヴィンスキー ピエロ・コッポラ モイセイヴィチ ベーム セル クーベリック カルミレッリ シュヒター バーンスタイン ビーチャム パシャーエフ ツィピーヌ アルベール・ヴォルフ パレー ウォレンスタイン アラール オーマンディ サモンズ 山田一雄 ロストロポーヴィチ シェルヘン モートン・グールド ギレー モイーズ 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード