コープランド:リンカーンの肖像

グレヴィッチ(語り)コステラネッツ指揮イスラエル・フィル(IPO)1976/6・CD

コープランドの人気作である。国威発揚のため第二次大戦にさいし作曲された中の代表格だ。コステラネッツは委属者でニューヨーク・フィルとも録音を行っている。拍手はないが環境ノイズより実況かもしれない。ややノイズが入るものの、概ね良好な録音。壮大さを演出する管楽群の高音域の響きがまさにアメリカ・アカデミズムそのものの印象を提示する。フォスターの草競馬の変奏を織り交ぜた複雑なリズムによる快活な音楽はティンパニなどパーカッション群のこけおどしで祝祭ムードをたかめる。弦楽器は控えめな用法。管楽器は垢抜けたズバリの響きをしているのに剥き身になると今ひとつ雑味があり気になる箇所がある。風呂敷を拡げたところで語りが始まる。リンカーンのいくつかの演説のいいとこ取りで、人民の人民による~が最後に持ってこられる「民主主義賛歌」なのだが、何とユダヤ語なのでサッパリわからない(IPO設立80周年記念ボックス所収)。ここでは背景で冒頭の眩い荒野の風景が吹かれつづけ、断続的に弦楽器などの強奏が入る。きほん親しみやすいのは作品の性向、作曲の動機からもきているのだろう。まあ、なんというか、ユダヤ語でやる意味は何なのか、アメリカとの関係深さからきているのか。音楽とあってない。。ブロッホなら上手くやっただろうが、コープランドほどの世俗性、アメリカ的なる作風を持ち合わせていなかったのだろう。バーンスタインの作風にも似てなくもなくて、バーンスタインは映像を残している。コステラネッツは日本とも関係深いが、軽音楽指揮者のイメージが付き、じっさい世俗的なわかりやすい、メリハリのはっきりした指揮をする。さて、語りは素人にやらせろ、ともコープランドは言ったらしいが、まずもって素人のものは聞いたことが無いし、ここでは無難なナレーションとなっている。芝居がかってないから意図に忠実とも言える。まんま、ドガシャーンで終わる。15分前後の作品とは思えない風呂敷の拡げ方である。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

岡林リョウ

Author:岡林リョウ
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
カテゴリ
TAG

ストコフスキ 四重奏団 フィテルベルク ミュンシュ トスカニーニ コンドラシン バルビローリ 作曲家 モントゥ アンセルメ 作曲家演奏 ブール エネスコ ガウク ミトロプーロス ロスバウト サージェント オイストラフ フランセ ワイエンベルク ORTF アンゲルブレシュト サモスード デゾルミエール イワーノフ ゴロワノフ ムラヴィンスキー ピエロ・コッポラ モイセイヴィチ ベーム セル クーベリック カルミレッリ シュヒター バーンスタイン ビーチャム パシャーエフ ツィピーヌ アルベール・ヴォルフ パレー ウォレンスタイン アラール オーマンディ サモンズ 山田一雄 ロストロポーヴィチ シェルヘン モートン・グールド ギレー モイーズ 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード