ドビュッシー/オーリッジ:象たちのトーマイ

青柳いづみこ(P)(camerata)2012/4/10-12・CD

オーリッジ氏の補筆完成プロジェクトの成果は最終的に音盤にまとめてほしいものだが、こうやって断片的にしか知ることができないのは困ったものである。奏者としても日本で最もドビュッシーに詳しいソリストによる、初演ではないが盤としては初のもので、四分半ほどの小品ではあるが、元々前奏曲集第2巻11曲めとして構想された(ものを再現した)作品なので、それにしては長い。スケッチはあったらしいがいずれオーリッジ氏はこの曲が「おもちゃ箱」に取り込まれたと判断して、おもちゃ箱より素材を編み上げたそうである。つまりいつも以上に「オーリッジ作品」でありドビュッシーは着想を与えたにすぎない。聴けば分かるがいくつかの様式が混在してモザイク状に配置されており、前衛がとつぜん過去の甘やかな「印象派」になりまた象の足音のような重い打音で断ち切れてはオリエンタルな夢幻が立ち現れる。混乱しているようにすら思えるがキプリングの童話に沿ってきちんと組み立てられており、それゆえの長尺でもあるが、さすがオーリッジ氏の腕は冴えており、晩年ドビュッシー作品として聴けるのである。スタンウェイの響きが美しい。
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