ドビュッシー:石炭の明かりに照らされた夕べ

○青柳いづみこ(P)(camerata)2012/6/21・CD

一般に、やつれ果てた「エレジー」が最晩年のピアノ曲と思われがちだが、これはその1915年よりさらに2年後のほんとの最晩年作になる。冒頭、同時代の前衛のような硬質の低い轟に最晩年を思わせるや、夢のように立ち昇る古い作品のメロディ、軽やかな響きが意外性をもって聴くものを包み込み、風のように去る。一分半のきわめて短い作品だが、エレジーもそうであるようにすっかり作曲家としての生気を失って、純粋な感覚のみで描いている。厳冬に炭屋への御礼として書いたといい、実際タイトルも含めて過去作品の素材をいくつか流用しているというが、簡素に、いかにもドビュッシーのイメージに沿うた部分を、思い出を語るかのように苦渋の中に書き留めたようで、何とも言えない気持ちになる。作品はむしろ聴きやすく、演奏も過剰なところがなく明確で、おすすめできる。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

岡林リョウ

Author:岡林リョウ
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
カテゴリ
TAG

ストコフスキ 四重奏団 フィテルベルク ミュンシュ トスカニーニ コンドラシン バルビローリ 作曲家 モントゥ アンセルメ 作曲家演奏 ブール エネスコ ガウク ミトロプーロス ロスバウト サージェント オイストラフ フランセ ワイエンベルク ORTF アンゲルブレシュト サモスード デゾルミエール イワーノフ ゴロワノフ ムラヴィンスキー ピエロ・コッポラ モイセイヴィチ ベーム セル クーベリック カルミレッリ シュヒター バーンスタイン ビーチャム パシャーエフ ツィピーヌ アルベール・ヴォルフ パレー ウォレンスタイン アラール オーマンディ サモンズ 山田一雄 ロストロポーヴィチ シェルヘン モートン・グールド ギレー モイーズ 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード