ドビュッシー:「負傷者の衣服」のための小品(アルバムのページ)

○青柳いづみこ(P)(camerata)2012/6/21・CD

まるでサティのようなワルツがラヴェルのようになめらかに滑り出す。しかし特有の、すでに古いのかもしれないが甘いフレーズに、ウィットで〆る。きわめて短くも、ドビュッシーの同時代人を想起する部分の多い作品で、凄まじい近代戦を目の当たりにしショックを受けていたというドビュッシーがエンマの参加する慈善団体のために書いたオーダーメイド的作品。だがこれは名品である。第一次大戦。ラヴェルも参加しトラックを運転した。ラヴェルに師事しドビュッシーに心酔したRVWは砲兵隊にて大音に耳をやられ次第に難聴に陥った。ともに積極的に参加したものの目にしたものにショックを受けていた。ドビュッシーにはその気力も体力も、時間も無かったが、イマジネーションはその二人をも凌駕していたのかもしれない。その苦渋の滲み出る作品と、昔の作風によるような愛らしい作品、健康上の問題と時代の劇的な変化はドビュッシーを真の意味で過去の夢のようなものにしてしまった。
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