ディーリアス:ヴァイオリン協奏曲

ホルムス(Vn)ハンドレー指揮ロイヤル・フィル(unicorn)1985版・CD

世紀末音楽を代表する作曲家としていっとき流行ったディーリアス。しかし昔からディーリアンという黄昏時に浸り込むマニアを集めてきた人であり、半音階の多用と風変わりな和音進行の目立つ取っつきづらい掴みどころの無い作品が、突然何物にも替えがたい世俗と隔絶した傑作に聴こえることがある、そういった特色を持つ。この作品など特にそうで、この演奏は比較的大作りで丁寧だが尚一層、そういうやり方をされると何を聴かされているのか最初はわからないだろう。同じような音が、同じような和音を載せてうねうね上下する旋律線に寄り添い、その幅はけして広くない。マンネリズムを感じさせる(これに浸れるかどうかがディーリアンになれるかどうかの境目)。オケはこれまた真骨頂的に美しいだけでなく、変な音で絡んできたりして奇妙な後味を残す。新世紀の扉を開けたドビュッシーが評したようにただ美しい三和音だけの作曲家、民謡音楽を用いて心象的な表題付音詩を紡ぎ上げるだけでなく、複雑な要素を注ぎ込み協奏作品など抽象音楽にも取り組んだ意欲的な時期のディーリアスの作品であるからして、ファーストチョイスには向かないけれど、慣れてきたら割と細かく聴いていくと独特の書法が面白く、それが有機的に繋がり連なっていくところで初めて浸り込む要素を見出すことができよう。とくにヴァイオリン協奏曲は協奏曲の中で一番良く書けているので、取り組んでみるのも一興かもしれない。
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