ディーリアス:弦楽合奏のためのソナタ(フェンビー編)

フェンビー指揮ボーンマス・シンフォニエッタ(EMI)1979版・CD

通常大編成版としては【去りゆくつばめ】のみ演奏されるものだが、これは編曲者が弦楽四重奏曲を全曲、四楽章すべて弦楽合奏用に編曲したものだ。単純に肥大化させたわけではなくソロの導入や奏法の工夫などしっかり創意も入れた編曲になっている。私は原曲から先に入ったので【去りゆくつばめ】即ち三楽章の【大仰さ】に辟易したのだが、鄙びた素朴な味わい、これはディーリアスが室内楽についてはあまり手を付けなかった理由、耳で聴くぶんにはボロディン2番めいた楽しさがあるものの、弾くと結構なんだかなーという偏ったアンサンブルの感じがあり、私の譜面にはビーチャムの手が入っている旨書いてあるが、やはり編成の大きく分厚い響きを動かしてこそのディーリアスであるのだろう(ピアノは別)。その点、フェンビーは純粋な【ディーリアス節】を取り出し、軽やかな味付けを施すから、いわばディーリアス晩年のフェンビーが口述に基づき書いた作品にとても近い聞き心地がする。【夏の歌】が好きなら比較的楽しめるだろう。四楽章構成で聴くと案外いけるなあ、と思ったのは、編曲者自らの指揮であるせいもあろうか。オケもリリカルで、専門室内楽団に要求されるようなキリキリするほどのアンサンブルの力は無いが、それが鄙びた民謡風味にもあっているか。【去りゆくつばめ】はただ、原曲をお勧めはする。あの哀しみ、ディーリアスの愛したつばめが今年は遅く飛び立っていった、心象的な、微細な音符の動きは大編成には不向きだ。
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