ドヴォルザーク:交響曲第7番

○セル指揮NYP(WME)1965/11/20live

モノラルだが迫力の演奏に圧倒される。セルのドヴォルザークは凄いのである。しかもニューヨーク・フィルは(ミスもするが)分厚く、ヨーロッパ的な重心の低い演奏も上手い。1楽章からして引き込まれる。フォルテの表現は…ひたすらフォルテの表現はこの曲の劇的要素をただただ強調し、鼓膜に叩きつけ続ける。2楽章ですら何か「聴かせよう」という意志の強さで、末尾の弱音部も綺麗なのだけれど、全般には緩徐楽章ぽくない。3楽章も舞踏らしくリズムが切れている。緩やかな主題の歌謡的なフレージングと激しい三拍子の動きがメドレーのようにつながっていく。楽団の厚さがやや悪い録音でも関係なく音楽の楽しさをダイレクトに伝えてくる。メカニカルゆえスリリングなアンサンブルも楽しみの一つであるこの曲の、そのスリリングなところをセルは非常な求心力をもって聞かせにかかる。誰も臆することなく気が絶えない。四楽章も緩やかに始まったかと思ったら駆け上がる主題でいきなりテンポアップ。結構テンポ変化があるが、瞬間沸騰的なものはすくなく、聞かせどころでしばらく少しテンポダウンする、といった、おおむねスコアの書き込みどおりということで、それの再現度がたぶん、凄まじい。弦楽器主体の楽曲にNYPの「やる気になった」弦楽セクションはうってつけだ。ブラームスをわかりやすくしたような作品を、さらにわかりやすく歌で繋いでいく。悲劇的で渋い色調の楽曲もこういう力づくスタイルの前には、ダイナミックでアポロ的な印象を与える。矢鱈の弦楽パートの掛け合いなど、セルだから曖昧にはならずに構造的な楽しみもあるのでメカニカルに聴きたい向きにもあっている。以前出ていた気がするが、この音質でもお勧めしたい。生だとどんな凄い演奏だったろう、ブラヴォの嵐。
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