ミヨー:秋のコンチェルティーノ

ゴールド&フィッツデール(P)アンサンブル(columbia/sony)1953/1・CD

弦楽と木管のかもすくすんだ寂しげな秋の幕開けから、ピアノの意外と躍動的な音線が収穫祭の喧騒に聴くものを誘う。ピアノ協奏曲の中間楽章と終楽章を合わせたような曲で、末尾にまた寂しげな枯れ落ちるメロディがとつとつと世界を閉じていくところまで、量産家ミヨーの作曲の腕前に感服する。ラヴェルが嫉妬(?)するわけだ。ことなる4つの楽器のための四季、というまとまりではなく、寄せ集めなのであり、対比的に聴くと明らかに「春」が突出しているがこれも作曲時期が違うからで、このように一曲ずつ楽しむべきものだろう。フランスの楽団がやると、あるいはシェフがさばくとこの曲は木管にひなびた味わいがこと更に加えられフランスの田舎風の響きによって「いつものミヨー節ね」となってしまう。この演奏は木管が音色的に主張しないから本来のあるべき冷えた響きが浮き彫りにされ、サティふうに捻った旋律線の味わいがよく伝わる。けして正面からいかない、スタイルは違うがヒンデミットの作品のように二十世紀的な「崩し」を敢えて入れている。地味だが、個人的にはおすすめ。しかしこの曲に二人のソリストはいるのか問題(単に書法上の都合だろうけど)。
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